会計ソフトに入力する? しない?どっち!? ~やるなら基本を押さえよう!~

免許皆伝 会計事務所の実践ノウハウ
Pocket

会計ソフトに入力する? しない?どっち!? ~やるなら基本を押さえよう!~


記帳作業のコツを知っておこう

会計ソフトに入力することを、記帳作業を呼びます。以前は、経理は手書きで行っていたため、「記帳」とは、総勘定元帳など経理の書式に記入するという意味でした。
現在では、手書きの記帳作業はほぼ消滅しています。また、記帳作業を行うために必要だった伝票起票という作業も、大企業の場合、内部統制などの問題もあり、今でも伝票を作成し、承認してから記帳というところもありますが、中小企業ではほとんど目にすることがなくなってきました。
今では、領収書や請求書、預金通帳を見ながら、会計ソフトに直接、入力していく方法が主流なのです。オーソドックスな記帳作業は、コンピュータがなかった時代の手法なので、コンピュータの使用を前提とした記帳作業では、その手法が変化したことも納得できるところです。

ポイント
1. 自分で記帳する場合は、我流でやるのではなく、1回だけでも会 計ソフトのセミナーなどで基本を教わる
2. 会計ソフトへの入力を記帳代行業者に依頼する場合にも、資料を 整理して提出するため、多少の手間がかかるものと覚悟する
3. 記帳代行業者を選択する際には、あらかじめ仕訳数の数え方を確 認すること。1行で1仕訳なら100 仕訳で1万円が相場

1.会計ソフトへの入力作業はどうするのか?

では、会計ソフトを使っての入力作業について考えてみましょう。
まず、「記帳代行を依頼してコストをかけるのか?」それとも「手間暇をかけて、自分で行うのか?」という問題があります。
この二択は、「どちらがよい」というものでもありません。
記帳を代行業者に依頼する場合でも、100%丸投げできるわけではありません。領収書、請求書の整理、通帳のコピーなど、記帳の根拠となる資料をまとめて、代行業者に渡すという手間は、最低限かかることは覚悟する必要があります。
一方、自分で行う場合は、見よう見まねで四苦八苦するより、会計ソフトを使った記帳作業セミナーに1~2日通って、基本中の基本くらいはおさえてから作業したほうが効率的です。初めのとっかかりを教わるだけでも、その後の作業がずいぶんスムーズになるでしょう。
経理は事業を行う限り、ずっと続いていくものですから、自身で取り組むのなら、基本だけでも理解して作業することを強くオススメします。自分で記帳に取り組むと、後々業者に依頼する際にも、スムーズにできるはずです。
会計の知識は、経営に不可欠なものですから、そういう意味では、自分で行うのもよい方法だと言えるでしょう。

会計ソフトへの入力作業はどうするのか?

2.記帳代行を依頼する場合のポイント

記帳代行業者に外注する場合でも、財務データを読む力を持つことはとても大切なことです。完全な他人任せにならないようにしましょう。
また、代行業者に依頼する場合、費用がどれくらいかかるかも気になるでしょう。結論からいうと、費用は仕訳数によって変わってきます。「1仕訳100円」など、業者が提示する費用がありますので、自社の1ヶ月の仕訳数を掛ければ、だいたいの費用は見積もれます。
ただし、注意しなければならない点があります。それは、仕訳の定義が定まっていないことです。「何が1仕訳なのか」という基準が、業者によってバラバラなので、ここをあらかじめ確認する必要があります。
例えば、

記帳代行を依頼する場合のポイント

という仕訳を振替伝票で入力するとしましょう。一見、1仕訳のように見えますが、多くの記帳代行業者はこれを2仕訳としてカウントします。
このようにカウントすると、「自社の仕訳はたいして多くない。せいぜい50仕訳ぐらいかな」などと考えていたのに、記帳代行業者が仕訳数を数えると「100仕訳になってしまった」ということもあり得ます。これは、実際に多くあるトラブルですから、仕訳の数え方については、あらかじめチェックして代行業者を選ぶ必要があるわけです。
気になる仕訳単価の相場ですが、これはおおよそ1仕訳あたり100円前後といったところです。また、月当たりは、非常に小規模な会社で5,000円~10,000円程度、年商3,000万円~5,000万円規模の会社であれば、20,000円~30,000円はかかるものと考えておきましょう。

【免責及びご注意】
読者の皆さまの個別要因及び認識や課税当局への主張の仕方により、税務リスクを負う可能性も十分考えられますので、実務上のご判断は、改めて専門家のアドバイスのもと、行うようにして下さい。
弊社は別途契約を交わした上で、アドバイスをする場合を除き、当サイトの情報に基づき不利益を被った場合、一切の責任を負いませんので、予めご了承ください。