大きな買い物をすることが決まったら… ~建物、機械設備、ソフトウエア、商品・製品~

免許皆伝 会計事務所の実践ノウハウ
Pocket

大きな買い物をすることが決まったら… ~建物、機械設備、ソフトウエア、商品・製品~


買い物をする前に税金面を考慮する

基本的なことですが、経営者が必ず理解しておきたいことがあります。お金を支払った時期と、経費となる時期が必ずしも一致しないということです。

 お金を支払った時期≠経費となる時期

そのため、大きな買い物をする際には、あらかじめ確認しておきたいことがあります。

ポイント
1. お金を支払った時期と、経費となる時期は必ずしも一致しない。 税務提供を受けた時、納品されて事業供日した時に費用化。 減価償却資産になると数年以上に渡って費用化となる
2. 節税のための決算前の大きな買い物は、本当に費用化できるかど うかをチェックする
3. 大きな設備投資をする前には消費税還付ができるか、税理士に相談する

1.費用化のタイミング

決算期末が近づいてきたとき、黒字を圧縮したい経営者の方から「○○を買おうと思っているんだけど、当期の費用になるかな?」という質問をよく受けます。
もちろん、ケースバイケースではありますが、以下を参考にして判断してください。なお、ここで紹介する例は、特殊な例外ケースは考慮しません。

費用化のタイミング

2.設備投資する際に検討することは?

少し視点を変えましょう。設備投資に5,000万円の機械装置を購入することが決まった場合、何を検討すべきでしょうか。
それは、消費税です。機械装置が5,000万円であれば、その購入にかかる消費税250万円を支払うことになります。消費税の計算の基本は【売上げで受け取った消費税-支払いにかかった消費税】です。この差額を納付することになりますが、支払った消費税のほうが売上げで受け取った消費税のほうが多い場合、還付を受けることができるのです。
しかし、還付を受けられるのは消費税の納税義務者だけです。納税義務者でない場合、設備投資をする前に決算期を変更するか、翌期の購入にできるかを検討しましょう。
いずれにしても、消費税の納税義務者を選択することで、消費税250万円を還付対象金額にすることができますので、慎重な判断が必要です。一度、納税義務者になると、2年間はそれを続けなければなりません。
このように、実務上は、総合的に勘案したうえで、損得の判断を行わなければなりませんので、このように大きな設備投資をする前などには、税理士に事前相談するのが得策です。

【免責及びご注意】
読者の皆さまの個別要因及び認識や課税当局への主張の仕方により、税務リスクを負う可能性も十分考えられますので、実務上のご判断は、改めて専門家のアドバイスのもと、行うようにして下さい。
弊社は別途契約を交わした上で、アドバイスをする場合を除き、当サイトの情報に基づき不利益を被った場合、一切の責任を負いませんので、予めご了承ください。